【資格取得】知財検定2級対応~意匠法

知的財産管理技能検定の2級を、某資格の学校で勉強中です。

知識の定着や、情報共有の意味を込めてまとめているので、同じ勉強をしている人や興味を持った人達に見ていただけると幸いです。

以下、特許法ほど出題頻度は高くないですが、これならではの論点の出題可能性の高い意匠法をまとめています(*´∇`*)

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3級意匠法基礎知識を、もう一度確認しておきましょうφ(..)

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体系

意匠の類似判断は頻出論点です。

意匠とは?

○意匠法→意匠の保護及び利用を図ることにより、意匠の創作を奨励し、もって産業の発達に寄与することを目的とする。
※意匠→物品の形状(一定の定まった形状を有していることが条件。)、模様もしくは色彩もしくはこれらの結合、建築物の形状等又は画像であって、視覚を通じて美観を起こさせるもの。

○意匠登録出願
  • 意匠の創作をすると意匠登録を受ける権利が発生(意匠登録を受ける権利を有していない者が行った出願は、冒認出願として拒絶される。)。
  • 出願書類は願書と図面(図面に代えて、意匠登録を受けようとする意匠を現した写真、ひな型又は見本を提出することができる。)。
  • 出願公開制度、出願審査の請求制度はない(出願された意匠はすべて実体審査が行われる。)。
  • 登録査定の謄本送達日から30日以内に、少なくとも1年分の登録料を納付することにより設定登録される(意匠権は設定の登録により発生。)。
  • 意匠権の存続期間は、出願日から25年まで

意匠の登録要件は?

○意匠の登録要件
  • 工業上利用できる意匠(工業的技術を利用して、量産できる意匠であること。)
  • 創作非容易性(意匠登録出願時において、当業者が意匠登録出願前に日本国内又は外国において公然知られた形状、模様もしくは色彩又はこれらの結合に基づき容易に意匠の創作をすることができない、という意匠を創作するための困難性。)
  • 意匠の新規性(時・分までをも問題とし、日本を含め世界各国の事実を基準として判断。)
※新規性を有しない意匠
  • 公然知られた意匠
  • 頒布された刊行物に記載された意匠
  • 電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった意匠
  • 意匠法3条1項1号又は2号の意匠に類似する意匠(物品等面と形状等面の2点で、「意匠の類似」を判断する。)
※新規性喪失の例外について、適用要件、手続は特許法と同様。

○登録を受けられない意匠(公益的な理由から、意匠登録を受けることができない。)
  • 公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある意匠(国旗・菊花紋章等)
  • 他人の業務に係る物品と混同を生じるおそれのある意匠
  • 物品の機能を確保するために不可欠な形状のみからなる意匠

手続の補正・補正却下とは?

意匠の要旨変更がない範囲であれば、補正ができます。

○手続の補正→意匠登録出願、請求、その他意匠登録に関する手続に係る書類の内容を補正すること(意匠登録出願人が、意匠登録出願が審査、審判、再審に係属中である場合に補正をすることができる。)。
※補正の効果は出願時まで遡及し、遡及効による第三者の不利益を防止するため、意匠の要旨を変更しない範囲で認められる(願書の記載及び願書に添付した図面等の補正は、補正により一度削除した事項を復元させる補正は許容されない。)。

補正の却下→要旨を変更する補正は、決定をもって却下される。
※決定に対する対応
  • 補正却下の決定に対して不服がある場合、補正却下の決定謄本の送達日から3月以内に、出願人は補正却下決定不服審判を請求して争うことができる。
  • 補正却下の決定に対して承服する場合、補正却下の決定謄本の送達日から3月以内に、出願人は却下された補正の内容で補正却下後の新たな意匠登録出願をすることができる。

意匠権の効力は?

○意匠権の効力→意匠権者が登録意匠及びこれに類似する意匠を業として実施する権利を専有することができ、一定の予備的行為を排除できること。
※登録意匠と、これに類似する意匠であるか否かの判断は、需要者の視覚を通じて起こさせる美観に基づく

※意匠に係る同一の物品→物品の用途(使用目的)及び機能(使用方法・使用態様)がともに同一である物品。

○意匠権の侵害
  • 意匠権者は、意匠権の侵害行為に対して、差止請求、損害賠償請求、不当利得返還請求、信用回復措置請求、刑事罰の責任追及ができる。
  • 他人の意匠権を侵害していると警告を受けた場合、相手が権利者てあるかどうか意匠原簿で確認したり、権利侵害と警告された行為が相手の権利範囲に入るかどうか検証したり、先使用権の有無を確認したりする(対応は特許権侵害と同様。)。

特殊な意匠制度まとめ

意匠ならではの論点は、よく出題されるようです。

○部分意匠→製品の特徴あるその部分について意匠権を認める(物品の全体意匠と部分意匠の両方の意匠権を取得することもできる。)。

○動的意匠→意匠に係る物品の形状、模様又は色彩が、物品の有する機能の変化に基づき変化する場合において、変化の前後の形状等に意匠登録を受ける。

○組物の意匠→同時に使用される二以上の物品であって経済産業省令で定めるもの(組物)を構成する物品に係る意匠が、組物全体として統一があるときは、一意匠として登録が認められる意匠(複数の物品の自由な組合せを考慮して全体的な統一感をもたせるように個々のデザインを行う「システムデザイン」や「セットもののデザイン」。)。
※組物全体を一意匠として登録を認めるため、一般的な登録要件についても組物全体として審査される(組物の意匠として要件を満たす場合、分割出願を行うことはできない。)。
※組物の意匠の要件を満たさないまま意匠登録がされた場合、形式的要件であるため無効理由とはならない

○秘密意匠制度→意匠登録出願人の請求により、意匠権の設定登録の日から一定期間(意匠権の設定登録の日から3年以内の期間。)だけ登録意匠の内容を秘密にしておく制度(登録意匠の実施時期と公表時期とを調整して意匠を適切に保護するための制度。)。
※秘密意匠の請求に際して、意匠登録出願と同時に又は第一年分の登録料の納付と同時に特許庁長官に書面を提出する(手数料は別途納付。)。
※秘密意匠に係る意匠権の侵害→差止請求権を行使する場合、その秘密意匠に関して意匠法20条3項各号に掲げる事項を記載した書面であって特許庁長官の証明を受けたものを提示して警告した後でなければ行使することができない。
※侵害者の過失は推定されない(権利者側が侵害者の過失を立証する。)。

○関連意匠制度→自己の意匠登録出願に係る意匠又は自己の登録意匠のうちから選択した一の意匠(本意匠)に類似する意匠(関連意匠)については、一定の条件の下、先願主義にかかわらず意匠登録を認める制度(一つのデザインコンセプトから創作された多数のバリエーションの意匠は互いに類似することが多く、これらの意匠は創作的な観点では同等の価値を有し、一連の意匠群として保護する。)。
※本意匠→自己の意匠登録出願に係る意匠又は自己の登録意匠のうち選択した一の意匠。
基礎意匠→本意匠であって他の意匠の関連意匠でないもの
関連意匠の意匠権の存続期間は、その基礎意匠の意匠権の存続期間が満了するまで(基礎意匠が存続期間満了以外の理由で消滅しても、関連意匠の意匠権は消滅しない。)。
※関連意匠規定に違反した出願が登録された場合、無効理由とはならない

※関連意匠の登録要件
  • 関連意匠の意匠登録出願人が、本意匠の意匠権者又は意匠登録出願人と同一であること。
  • 関連意匠が自己の本意匠と類似していること。
  • 本意匠の意匠権について、専用実施権が設定されていないこと。
  • 関連意匠の出願が一般的な登録要件を満たしていること。
  • 関連意匠の意匠登録出願は、基礎意匠の出願日以後であって、出願日から10年経過する日前であること。

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