【過去問分析】知財検定1級~特許専門業務

この記事では、知的財産管理技能検定の過去問をベースに簡単な解説を付けていきます(少し内容を簡単にしています。)。


1級の特許専門業務を受験したので、出題範囲は主に特許・実用新案・条約・不正競争防止法・独占禁止法・民法・民訴法・裁判法・関税法・弁理士法・知財戦略・IPランドスケープ・PPH・米国特許・中国特許・韓国特許・欧州特許などです!

→2級とは比較にならない程に難易度が上がるような気もしますが、基礎を勉強して内容を理解していれば解ける問題も多いです(その代わり、知らない問題は全く解けません…、すべて記号選択問題なのに、歯が立ちませんでした。)。


なお、過去問は知的財産管理技能検定公式HPに問題と解答が掲載されており、それを引用しています。


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以下、3級、2級基礎知識をまとめています。




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第40回学科問27

訴えの管轄に関する考えとして、適切なものは?

  • 北海道に本店のあるY社に対して、Y社の北海道における特許権侵害製品の販売を理由として、特許権に基づく差止請求に係る訴えを提起する場合、X社は札幌地方裁判所に訴訟を提起しなければならない。
  • X社がY社に対して、大分県における特許権侵害行為を理由とする損害賠償請求に係る訴えを提起する場合、X社は大阪地方裁判所に訴訟を提起することができる。
  • 特許権侵害訴訟は、訴額が少額であっても簡易裁判所に訴訟を提起することができる。
  • 特許権侵害訴訟において、差止と損害賠償は1つの訴えで併せて提起することはできず、それぞれ別の訴えで請求しなければならない。

解答

  • X社がY社に対して、大分県における特許権侵害行為を理由とする損害賠償請求に係る訴えを提起する場合、X社は大阪地方裁判所に訴訟を提起することができる。

裁判所の管轄について問われている。

訴額が140万円以下の請求は、地方裁判所と簡易裁判所の競合管轄となっている(140万円を越える請求は地方裁判所の管轄。)。


解説

○特許権訴訟は、東京地方裁判所と大阪地方裁判所が専属管轄を有している。
→管轄権を有する裁判所の所在地によって、東京か大阪のどちらかに振り分けられることになる。


第37回学科問11

包装容器メーカーX社は新たな包装容器Aを開発し、Aに係る発明B1、B2、B3について2019年4月に特許出願Pを行ったが、出願審査請求後に事業方針の変更により包装容器Aの事業化は中止されることとなった。
X社の知的財産部では出願審査請求手数料の返還請求を検討しているが、返還請求手続について適切なものは?

  • 出願審査請求手数料の返還請求は、特許出願の放棄又は取下げの日から6ヶ月が経過する前に行うことが必要である。
  • 特許出願について拒絶理由通知が発行された場合でも、当該拒絶理由通知で指定された意見書提出期間内に特許出願の放棄又は取下げを行い、その後所定期間内に出願審査請求手数料の返還請求を行えば、出願審査請求手数料の一部は返還される。
  • 特許出願に対して拒絶理由通知及び特許査定のいずれも未発行であれば、特許出願の出願審査請求手数料の返還請求が可能である。
  • 出願審査請求後に自発補正をすることで一部の請求項を削除して請求項の数が減少した場合、減少した数に対応する出願審査請求手数料の返還請求を行うことができる。

解答

  • 出願審査請求手数料の返還請求は、特許出願の放棄又は取下げの日から6ヶ月が経過する前に行うことが必要である。

○出願審査請求手数料の返還請求制度
→特許庁が審査に着手する前(審査着手前)に、出願を取下げ又は放棄を行えば、その取下げ又は放棄をしてから6ヶ月以内に返還請求をすることにより、納付した審査請求料の1/2(半額)が返還される制度。

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