この記事では、知的財産管理技能検定の過去問をベースに簡単な解説を付けていきます(少し内容を簡単にしています。)。
1級の特許専門業務を受験したので、出題範囲は主に特許・実用新案・条約・不正競争防止法・独占禁止法・民法・民訴法・裁判法・関税法・弁理士法・知財戦略・IPランドスケープ・PPH・米国特許・中国特許・韓国特許・欧州特許などです!
→2級とは比較にならない程に難易度が上がるような気もしますが、基礎を勉強して内容を理解していれば解ける問題も多いです(その代わり、知らない問題は全く解けません…、すべて記号選択問題なのに、歯が立ちませんでした。)。
なお、過去問は知的財産管理技能検定公式HPに問題と解答が掲載されており、それを引用しています。
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以下、3級、2級基礎知識をまとめています。
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第40回学科問39
電池メーカーX社は、開発した電池についてX社を出願人とするPCTによる国際出願Pを行った。Pについて、中国への国内段階移行時又は移行後の手続に関して、X社知的財産部員甲と乙が話している。
乙の発言として、適切なものは?
【甲「中国の国内段階への移行期限はいつですか?」
乙「今回の場合は国際出願日から30ヶ月で、延長はできません。」】
【甲「出願審査請求の期限はいつですか?」
乙「今回の場合、国際出願日から3年です。」】
【甲「中国では、請求の範囲の引用形式について何か制限はありますか?」
乙「1つの請求項が複数の請求項を引用することは禁止されています。」】
【甲「中国への国内段階移行時に自発補正を行うことはできますか?」
乙「最初の拒絶理由通知書が発行される前であれば、いつでも行うことが可能です。」】
解答
甲「出願審査請求の期限はいつですか?」
乙「今回の場合、国際出願日から3年です。」
国際出願の国内移行について、数字や起算日を覚えておけば解けたかもしれない問題。
○国内段階への移行期限は、PCT出願の優先日から30ヶ月以内に行わなければならない。
しかし、期間延長料を納付して2ヶ月の猶予期間を利用することもできる。
○自発補正を行う機会は限定されている。
- PCT出願の中国国内段階への移行時
- 実体審査請求時
- 中国特許庁による実体審査に入った旨の通知書を受領した日から3ヶ月以内
○多項従属クレーム
→1つのクレームが複数のクレームを引用することはできる(マルチクレーム)が、複数のクレームを引用するクレームをさらに複数のクレームで引用することはできない(マルチマルチクレーム)。
拒絶理由通知を受けた場合、出願後に補正を行う等の対応が必要。
解説
○特許審査請求の期限
→出願日から3年(優先権主張を伴う場合には、優先日から3年)。
※日本の出願審査請求も3年以内なので、覚えやすい!
第37回学科問39
中国の権利無効宣告請求制度、韓国の特許無効審判に関して、不適切なものは?
- 中国の権利無効宣告請求制度においては、いかなる部門又は個人であっても、特許権の無効を宣告するよう請求することができる。
- 中国の権利無効宣告請求制度においては、特許権者は明細書について、訂正することができる。
- 韓国の特許無効審判において、請求項が2以上である場合には請求項ごとに請求することができる。
解答
- 中国の権利無効宣告請求制度においては、特許権者は明細書について、訂正することができる。
特許権の無効審判について、ストレートに聞かれている。
解説
○中国では、何人も中国特許庁審判部に対して無効宣告請求ができる。
○特許権者はクレーム(特許請求の範囲)の修正はできるが、明細書と図面の修正は認められない。
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