【過去問分析】知財検定1級~特許専門業務

この記事では、知的財産管理技能検定の過去問をベースに簡単な解説を付けていきます(少し内容を簡単にしています。)。


1級の特許専門業務を受験したので、出題範囲は主に特許・実用新案・条約・不正競争防止法・独占禁止法・民法・民訴法・裁判法・関税法・弁理士法・知財戦略・IPランドスケープ・PPH・米国特許・中国特許・韓国特許・欧州特許などです!

※最近の問40~45は、米国特許の実務について連続した出願となっています(長文や会話文に下線が引かれ、それに関しての問題が続きます。)。

→2級とは比較にならない程に難易度が上がるような気もしますが、基礎を勉強して内容を理解していれば解ける問題も多いです(その代わり、知らない問題は全く解けません…、すべて記号選択問題なのに、歯が立ちませんでした。)。


なお、過去問は知的財産管理技能検定公式HPに問題と解答が掲載されており、それを引用しています。


pakutaso.com




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以下、3級、2級基礎知識をまとめています。




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第40回学科問42

米国の特許出願の種類について、適切なものは?

  • 特許出願を仮出願(provisional application)で行う場合、明細書には英語のクレームが必要である。
  • 特許出願を継続出願(continuation application)で行う場合、新規事項を明細書に追加することができる
  • 特許出願を継続出願(continuation application)で行う場合、特許性の判断基準日及び特許の存続期間の起算日は先の出願日である。
  • 特許出願を一部継続出願(continuation-in-part application:CIP)で行い、先の出願には開示されていなかった新規事項を追加した場合、追加された新規事項についての特許性の判断基準日は、先の出願の出願日である。

解答

  • 特許出願を継続出願(continuation application)で行う場合、特許性の判断基準日及び特許の存続期間の起算日は先の出願日である。

日本にはない特許出願の種類を正確に覚える必要がある。

○特許出願を継続出願で行う場合、新規事項の追加は認められない(一部継続出願はOK。)。

○一部継続出願で新規事項を追加して新たに出願した場合、追加事項については先の出願の利益を受けることができない。

○仮出願の明細書はクレームを含む必要はなく、英語以外の言語で出願することもでき、翻訳も要求されない。

解説

○継続出願→先の出願を引き継ぐ出願。要件を満たせば、先の出願の利益を受けることができる。

要件は、
  • 特許を受けようとする発明が先の出願に第112条(a)の要件を満たして記載されていること
  • 先の出願の発明者名義において後の出願がされていること
  • 先の出願が特許になるか、放棄されるか、手続きが終了するまでに後の出願がなされること
  • 先の出願を参照すること

※日本の国内優先権制度に似ている…?
※出願の取下げにはならない。


追加知識

○米国出願の国内公開制度→最先の優先日から18ヶ月経過後に国内公開される(早期公開も可能。)。

※公開されない出願
  • 係属していない出願
  • 秘密命令の対象となる出願
  • 仮出願
  • デザイン特許出願
  • 非公開の請求がされた出願
※仮保護の権利
国内公開から特許発行までの間に、実施料相当額を受ける権利が発生する(公開された出願について、相手方への通知が必要。)。
権利行使は、特許が発行されてから6年以内。
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日本の補償金請求権と同じような感じ。


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