【雑記】劇場版名探偵コナン「ハロウィンの花嫁」は、ラブコメ要素薄めの本格刑事ドラマに昇格したのか?


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日本で4月といえば、年度始めや桜などの春らしいイメージや、入学式やエイプリルフール等のイベント系の連想をする人も多いと思います。

ですが今後、このイベント系のイメージにぜひとも加えていただきたいものが、「劇場版名探偵コナン公開日」なのです。

昨年の劇場版第24作目「緋色の弾丸」に引き続き、2022年4月には第25作目「ハロウィンの花嫁」が公開されました!

今年は本庁の刑事恋物語をベースとしたラブコメ作品…、ではなく「トリプルフェイス」安室透の過去を紐解く警察学校同期生の回想がメインとなり、過去から繋がる現在の事件から未来に向けて動き出すようなイメージの作品となっています。

筆者は松田刑事と風見さんが好きなのですが、スピンオフ作品も多く人気の高いキャラクターである安室さんもかっこいいですよね(^O^)

昨年と同様、これまでのコミックスを読み返してテレビアニメ「Wild Police Story」もチェックした上で観賞してきたので、この場で報告させていただきます。



劇場版名探偵コナン第25作目「ハロウィンの花嫁」

どんな内容?


「ハロウィンの花嫁」を語る上で欠かせないエピソードとして、佐藤刑事の記憶に深く残る松田刑事が殉職した「揺れる警視庁 1200万人の人質」の連続爆破事件が挙げられます。

始まりは7年前の萩原刑事が殉職した事件。
この原因を作った犯人が観覧車に仕掛けた爆弾を松田刑事が解体中に、次の爆弾が仕掛けられた場所のヒントを佐藤刑事にメールで送信し、松田刑事は爆発に巻き込まれたという3年前のストーリーが軸となっています(コナンが30年近く続いているので、7年前や3年前がいつなのかがもはやよく分かりませんが…。)。
そして現在、この連続爆破事件の犯人とされる人物が白鳥警部の車に爆弾を仕掛けたことを皮切りに、高木刑事とコナンが連続爆破事件に巻き込まれ…。

この事件では、これまでクールビューティーなイメージだった佐藤刑事の動揺や感情的になる姿、高木刑事の寄り添う力など、人間的な魅力があふれる記念すべきストーリーだったと思います(このエピソードから今回の劇場版まで、この二人の関係性があまり変わっていないのがほっこりポイントですね。)。

この一連の事件の犯人が脱獄し、降谷零、風見裕也の前に現れたところから「ハロウィンの花嫁」がスタートします。


特殊な液体火薬を使用する正体不明な殺し屋「プラーミャ」の罠にかかり首に爆弾を装着された降谷は公安警察の地下シェルターに隔離されますが、その間にコナンや少年探偵団、毛利探偵が爆破事件に巻き込まれてしまいます。

降谷のもとを訪れたコナンは、松田刑事が殉職する直前に発生したある事件で遭遇した謎の爆弾犯について語り…。

人間関係の設定が非常に細かく、過去の登場人物まですべて繋がっているといういわゆる「世間は狭い」状態なことに驚愕しています。

現在コミックスは101巻まで発売されていますが、まだまだ伏線が回収されていないエピソードも多くあるので、これからも楽しめそうなコンテンツですね(^O^)/

監督さん・脚本家さんはどんな人?


劇場版最新作「ハロウィンの花嫁」を監督した満仲勧さんは、これまで劇場版での監督経験はありませんが、アニメ「Wild Police Story」から監督として携わっています(偽名で参加していた経験はあるらしいですが。)。
アニメ作品の監督としての経験が豊富ですが、ミステリー、刑事ものの作品経験はあまりないようですね(レイトン教授シリーズはミステリーではありますが、謎解きの要素が強めかな。)。

しかしながら、今作の過去から現在までのエピソードを繋げる構成が面白く、これまでの作品とは違う、時間を忘れてスクリーンに見入ってしまうような展開が楽しめました。


脚本を担当した大倉崇裕さんは、過去テレビアニメや劇場版「から紅の恋歌」「紺青の拳」を経験された脚本家さんですが、もともと推理作家であったということは存じ上げなかったです…(かなりいろいろと執筆されているようで、自分の無知が憎い…!)。

  • 福家警部補シリーズ
  • 白戸修シリーズ
  • 警視庁いきもの係シリーズ

上記はすべてテレビドラマ化もされた人気シリーズですね!

刑事ものの小説を多く扱っていて、今後もコナンの脚本家として活躍しそうな感じです。

クライマックスのヘリコプターでのアクションシーン、渋谷の街を使った結局フィジカルな展開は無茶な流れなのですが、ベースは本格的な刑事ドラマ(+エンターテイメント)なのでとても面白かったです。

さらに事件の舞台となるのが「渋谷」という身近な場所なので、映画を見る人がイメージしやすいのが魅力的ですね。

個人的には、新一と蘭の幼少期と警察学校同期組の絡みのエピソードが最後に付けられていたことにキュンとしました(今作では蘭の活躍シーンが極端に少なかったため、貴重なシーンだったと思います!)。

劇場版第26作は、久々の黒の組織との対決になりそうなので(第20作「純黒の悪夢」ぶり?)、これも楽しみです。

声優さん・テーマソングは?


今回容疑者を演じていたのは、声優の山口由里子さんです。

世界でも知名度の高いアニメ「ONE PIECE」でニコ・ロビンを長年演じていますね。

今回も前回に引き続きパンフレットでネタバレとなってしまっていますが、今回はパンフレットに加えてさらにタイトル「ハロウィンの花嫁」とタイトルデザインでもネタバレしてしまっているので、ここはスルーします。


今回の劇場版の楽曲にはBUMP OF CHICKEN「クロノスタシス」が使われていますが、昨年の「永遠の不在証明」と同様に作品の雰囲気に合わせたものとなっています。

クロノスタシスとは「時計の針が止まって見える現象」のことを示していますが、今作のキーパーソン(?)であるエレニカ・ラブレンチエワがまさに、過去の出来事から止まった時間の中で生きている女性だったので、彼女を表したようなこの曲がとても切なく感じられました。

映画の中では一連の事件の後、今後立ち直って歩き出していくような描写で未来を示唆していましたが、アニメの中とはいえ応援したくなるような可愛らしさもありますね。

まとめ



今作は満仲監督だったからかは不明ですが、なんとなくこれまでの名探偵コナンとは空気感が異なった印象を受けました。

グラフィックなどもシーンに合わせた色調の明暗がくっきり分かれていたり(日本人が好きそうな(目に馴染みがありそうな)トーンが多かったような気がしました。)、新しいことに取り組み始めたというべきか…。

まだまだ最終回までは長い時間を要するでしょうが、終わりを迎えるその時まではどうにか見届けたいと思っています。


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