【意匠法判例研究】ピアノ補助ペダル事件(弁理士試験対策)

この記事では、弁理士試験の過去問の出題根拠となった判例と、実際の短答式筆記試験の問題を抜粋して紹介しています(研究という程ではないですが、頻出の判例です。)。


↑↑裁判所ホームページから、拾える範囲で判決全文のPDFファイルを拾って記事内に添付しているので、もし良ければ確認してみて下さい!

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事件の概要


原告が、意匠登録を受けようとする意匠に係る物品を「ピアノ補助ペダル」とし、同出願に添付した図面中に「ピアノ補助ペダル」の意匠、参考図として「同ピアノ補助ペダルにアタッチメントを取り付けた状態のピアノ補助ペダル」の意匠を記載した意匠登録出願をし、その後「同ピアノ補助ペダルにアタッチメントを取り付けた状態のピアノ補助ペダル」の意匠について分割出願をしたが、同出願は「2以上の意匠を包含する意匠登録出願の一部」とはいえず、原出願からの出願の分割は認められないとして登録出願を拒絶した査定を維持したが、原告(出願人)が審決の取消を求めた。

主張の理由
  • 意匠法10条の2第1項の「2以上の意匠」にいう「意匠」とは「意匠登録を受けようとする意匠」に限られず、「意匠登録出願に表現された意匠」をいうものと解するべきである。

判決




審決の判断を維持。

2以上の意匠を包含する意匠登録出願か否かは、願書の記載及び願書に添付した図面に記載され又は願書に添付した写真、ひな形もしくは見本により現された意匠に基づいて確定されるべきであり、必要があれば使用の状態を示した図その他参考図をも参照することになる。
従って、使用の状態を示した図その他参考図中に「意匠登録を受けようとする意匠」とは別の意匠が記載されているとしても「2以上の意匠を包含する意匠登録出願」か否かにおいて検討されるべき対象になるものではない  

【参考条文:意匠法10条の2第1項、24条】

短答式試験問題抜粋


令和3年度【意匠7】

意匠登録出願において、「使用状態を示す参考図」に複数の意匠が記載されていた。
この場合、「使用状態を示す参考図」のみに記載された意匠を、意匠法第10条の2に規定する意匠登録出願の分割によって、新たな意匠登録出願とすることはできない。

→本枝は正しい。

令和元年度【意匠4】

意匠登録出願において、「使用状態を示す参考図」のみに記載された意匠を、意匠登録出願の分割によって、新たな意匠登録出願とすることはできない。

→本枝は正しい。

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