この記事では、弁理士試験の過去問の出題根拠となった判例と、実際の短答式筆記試験の問題を抜粋して紹介しています(研究という程ではないですが、頻出の判例です。)。
↑↑裁判所ホームページから、拾える範囲で判決全文のPDFファイルを拾って記事内に添付しているので、もし良ければ確認してみて下さい!
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事件の概要
A、B、Cは共同して特許無効審判を請求したが、請求不成立の審決を受けた。
Aは審決取消訴訟を提起したが、B、Cは提起しなかった。
審決取消訴訟判決は、進歩性欠如を理由に審決を取消した。
特許権者は上告し、本件審決取消訴訟は審判請求人全員が共同して提起しなければならない固有必要的共同訴訟と解すべきであり、一部の請求人のみが提起した本件審決取消訴訟は不適法なものとして却下されるべきであったと主張した。
主張の理由
- 共同審判には手続の統一、審決の合一確定が要求され、そのためには審決取消訴訟は審判請求人全員が共同して提起しなければならない。
- 請求不成立の審決が確定し登録されると特許法167条の一事不再理効が働き、審決確定時に既に請求されている他の審判にも及ぶことから、Aが提起した審決取消訴訟についても無効審判自体が許されない。
判決
最判平成12年2月18日
上告棄却。
本件は、A及びB、Cが共同して特許の無効審判を請求したのに対し、審判の請求は不成立の旨の審決がされたのでAのみが審決の取消を求めたのであり、この場合、審決取消を求める訴えは無効審判請求をした者の全員が共同して提起することを要すると解すべき理由はないため、本件訴訟は適法である。
【参考条文:特許法178条1項】
短答式試験問題抜粋
令和3年度【特許・実用新案4】
複数の者が共同して請求した特許無効審判につき、請求は成り立たない旨の審決がされた場合、当該審決に対する取消訴訟は、その特許無効審判の請求をした者の全員が共同して提起しなければならない。
→本枝は誤り。
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