【著作権法判例研究】ポパイネクタイ事件(弁理士試験対策)

この記事では、弁理士試験の過去問の出題根拠となった判例と、実際の短答式筆記試験の問題を抜粋して紹介しています(研究という程ではないですが、頻出の判例です。)。


↑↑裁判所ホームページから、拾える範囲で判決全文のPDFファイルを拾って記事内に添付しているので、もし良ければ確認してみて下さい!

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事件の概要


被上告人は、米国法人の社員に職務上創作させた一話完結形式の漫画「シンブル・シアター」を1929年1月17日から新聞、単行本に逐次連載ないし掲載しており、1938年2月25日、ニューヨーク・イブニング・ジャーナルに掲載されていた第一回作品について著作権登録をし、1956年2月10日に名義を更新登録した。

上告人は昭和57年5月から、「シンブル・シアター」の主人公ポパイの図柄を付したネクタイを販売している。

被上告人はネクタイの販売差止め及びネクタイからの図柄の抹消を求め、原審では差止請求を認容した。

主張の理由
  • 主人公ポパイは、本件漫画から独立したキャラクターとして漫画とは別個の著作物であり、本件図柄はキャラクターの複製として著作権を侵害している。

判決


最判平成9年7月17日←PDFファイル


原判決破棄。

著作権法上の著作物は「思想又は感情を創作的に表現したもの」とされており、一定の名称、容貌、役割等の特徴を有する登場人物が反復して描かれている一話完結形式の連載漫画においては、当該登場人物が描かれた各回の漫画それぞれが著作物に当たり、具体的な漫画を離れ、右登場人物のいわゆるキャラクターをもって著作物ということはできない。
⇒キャラクターとは、漫画の具体的表現から昇華した登場人物の人格ともいうべき抽象的概念であって、具体的表現そのものではなく、それ自体が思想又は感情を創作的に表現したものということができない。

【参考条文:著作権法2条1項1号、2号】

短答式試験問題抜粋


令和2年度【著作権法・不正競争防止法1】

漫画で著名なキャラクターの名称のみを、Tシャツの身頃全面にゴシック体で大書きして販売する行為は、当該漫画についての著作権の侵害となる。

→本枝は不適切。


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