この記事では、弁理士試験の過去問の出題根拠となった判例と、実際の短答式筆記試験の問題を抜粋して紹介しています(研究という程ではないですが、頻出の判例です。)。
↑↑裁判所ホームページから、拾える範囲で判決全文のPDFファイルを拾って記事内に添付しているので、もし良ければ確認してみて下さい!
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事件の概要
特許庁は本願商標「橘正宗」について、商標「橘焼酎」を引用して拒絶査定をした。
東京高裁では「正宗」は清酒を示す慣用語句、他方は焼酎であり、需要者は商品としての清酒と焼酎とは完全に別商品と認識するから、橘正宗と橘焼酎という両商標は類似しないと判断した。
論点
- 指定商品が類似のものであるかどうかは、商品自体が取引上誤認混同の虞れがあるかどうかにより判定すべきか。
判決
原判決破棄。
商標が類似のものであるかどうかは、その商標をある商品につき使用した場合に、商品の出所について誤認混同を生ずる虞があると認められるものであるかどうかということにより判定すべき。
指定商品が類似のものであるかどうかは、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合、たとえ商品自体が互に誤認混同を生ずる虞がないものであっても類似の商品に当たると解する。
「橘焼酎」なる商標を使用して焼酎を製造する営業主がある場合に、他方で「橘正宗」なる商標を使用して清酒を製造する営業主があるとき、いずれも「橘」じるしの商標を使用して酒類を製造する同一営業主から出たものと一般世人に誤認させる虞がある。
※参考→橘焼酎商標
短答式試験問題抜粋
令和元年度【商標7】
指定商品に類似する商品についての登録商標の使用は商標権又は専用使用権を侵害するものとみなされるところ、商品の類否は、商品自体が取引上誤認混同のおそれがあるかどうかを基準として判断すべきであって、商品の出所についての誤認混同のおそれがあるかどうかを判断基準とする必要はない。
→本枝は誤り。
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