【不正競争防止法判例研究】ヘアピン事件(弁理士試験対策)

この記事では、弁理士試験の過去問の出題根拠となった判例と、実際の短答式筆記試験の問題を抜粋して紹介しています(研究という程ではないですが、頻出の判例です。)。


↑↑裁判所ホームページから、拾える範囲で判決全文のPDFファイルを拾って記事内に添付しているので、もし良ければ確認してみて下さい!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

↓↓弁理士試験概要はこちらから!

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

事件の概要


原告は一般市場向けヘアピンの製造販売を行っており、被告らが製造販売した商品について、本件商品に付された本件表示は不正競争防止法2条1項10号に規定する「商品の原産地について誤認させるような表示」に該当し、本件表示のうち外国国旗の使用は同法9条にも違反し、被告らによる本件商品の販売により原告は営業上の利益を侵害されていると主張して、本件表示の使用及び本件表示を使用した本件商品の販売の差止、損害金の支払いを求めた。

主張の理由
  • 本件表示は、消費者に世界各国で使用されているヘアピンを世界中から輸入して集めたものであるとの誤認を生じさせるに十分なものである。
  • 「日本製」であることを明記した表示を確認することはできない。
  • 公正取引委員会から、商品の原産国に関する不当な表示に該当するおそれがあるという理由で警告を受けて販売を中止しており、本件表示が原産地誤認表示に該当することを認めたからにほかならない。

判決




本件商品の裏面側に入れられた説明書の右下に小さく、しかも英語で製造元が表記されているにすぎないのみならず、記載自体日本製であることを明確に表示しているとはいいがたいのに対して、外国国旗は透明の包装紙の表面に貼られたシールに印刷されていて、表面を消費者に見えやすいように陳列すると考えられる通常の陳列状態においては、外国国旗の表示がその色彩、貼付位置により、説明書の記載と比べて格段に強く消費者の注意を惹くものであることは明らかであり、説明書の記載が外国国旗の表示による前記誤認を打ち消しあるいは減殺させることはない
→不正競争防止法2条1項10号にいう原産地誤認表示に該当する。

【参考条文:不正競争防止法2条1項20号】

短答式試験問題抜粋


令和元年度【著作権法・不正競争防止法10】

甲社は、イギリスの国旗を印刷したハンカチを日本において製造し、日本製であることを明確に示したタグを付けて販売している。甲社の行為は、原産地の誤認の惹起に係る不正競争となる。

→本枝は不適切。

日本製であることを明確に示した打ち消し表示を付加することにより、需要者に誤認を生じるおそれがなくなる場合には不正競争とならない。

コメント